食品そのものの酸性度は健康に影響を与えないのか?

 

たびたび勝新太郎さんの話をひっぱり出して恐縮だが

「梅はアルカリ性だから健康にいいんですよ。」

という梅、梅干しでいただくのだが、あれは強烈な酸性の食べ物だ。

少なくとも口の中は酸性になる。

 

それって、健康には影響を与えないのだろうか?

 

 

口腔内のpHも酸性に傾くと虫歯菌の活動が活発になる

 

アルカリ性食品とか酸性食品とかは、尿のpHには影響を与える。

でも、血液や体液そのものには影響を与えない。

(そんなことで影響を与えられたら生物は生きていけない)

 

ただし、尿も含めて、身体の中のようでありながら体の外のことなら話は別だ。

尿以外に何があるかというと、口の中だ。

それも、虫歯の発生に関して。

 

虫歯の原因、どの細菌が直接の犯人なのかに関してはいまだに諸説ある。

しかし、虫歯を起こす細菌が増殖して歯の周りを酸性に保ち、歯の表面を溶かすことが直接の原因の一つであることには皆さん、異論はないだろう。

口腔内が酸性に傾くと歯の表面が溶けやすくなると考えられる。

 

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さて、口腔内のpH調整に大きく関わっているものは何か?

それは唾液である。

 

唾液のpHは比較的狭い範囲で安定していて、6.3から6.8というほぼ中性に近い、ほんのわずかに酸性の状態だ。

このpHは唾液分泌量が多い人ほど中性に近く(高く)なり、分泌量の少ない人では酸性度が高まる。

確かに、ドライマウスと呼ばれる、唾液分泌に障害のある人では虫歯が増えることが知られているし、口内細菌が増えて口臭もきつくなることが知られている。

 

 

虫歯にならない食事とは唾液分泌を促す食材と食べ方

 

ということで、虫歯になるのを防ぐためにも、できるだけ唾液の分泌が増えるような食生活がお勧めだ。

だが、このときに、酸っぱいものをたくさん食べ続けて唾液の分泌を促すというのはお勧めできない。

だってその食品そのものが口腔内のpHを下げるのだから。(それを中和するために唾液がドバドバ出るというわけ)

 

理想は、適度な水分を含みながら、よく噛まないと食べられないものを食べることだ。

(咀嚼運動は唾液分泌を促すもっともよい方法の一つ)

それも極端にすっぱいものではないもの。

虫歯予防の観点からすると、糖質を多く含むものは避けたい。

 

というのも、虫歯の原因となる歯の表面の酸性環境を作り出す細菌の重要な栄養分は糖質だからだ。

実際に、知り合いにパン屋さんとかケーキ屋さんとかうどん屋さんとかいたら、虫歯に悩んでいないかどうか尋ねてごらんなさい。

毎日、でんぷんや砂糖を使った食べ物を作っては試食することを繰り返している人たちの虫歯率は非常に高い。

 

となると、硬い肉の塊、硬く調理した大きめの野菜、干物の魚などということになるかな。

そういう、食べるのに苦労するようなものを積極的によく噛んで食べよう

そして、できるだけ、食物残差を口腔内に残さないように、食べ物を食べ終わったら普通の水を飲もう。

 

 

口腔内の酸性度に配慮した食べ方についてのまとめ

 

話をもう一度まとめると、

 

口の中で酸性度の高い食材は避ける。

口の中が糖質まみれになる食材も避ける。

その上で、

唾液分泌を促す食材と調理方法を選ぶ。

 

心してください。

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